高齢化社会を迎えてシニアに不可欠ともいえる脳トレについて考える        シニアラボ

65歳以上の高齢者がどんどん増加している日本では、同じように認知症患者も年々増加しています。厚生労働省によると、平成22年度の推計値として65歳以上の認知症有病者はおよそ439万人とされており、65歳以上の高齢者全体の約15%をも占めているのです。そのため、65歳以上の4人に1人が認知症と認知症予備軍とされています。そんな中、介護・認知症予防のために、脳を鍛える「脳トレーニング」が今注目されているのです。


①なぜ脳トレが認知症予防になるのか

認知症は脳の萎縮に伴っておこる機能低下が原因です。20歳を過ぎると誰でも脳細胞が減少し、徐々に萎縮が始まります。脳細胞は再生されることがありません。

しかし、脳の機能は鍛えることで維持できるだけでなく、取り戻すこともできます。脳の機能は脳の神経細胞によるネットワークが重要です。そのネットワークを広げて機能を高めるためには脳への刺激が必要になります。その刺激となるのが脳トレです。

脳が働くにはたくさんのエネルギーが必要です。

脳トレを行うと、脳がエネルギーをたくさん使うようになります。そうすると脳に酸素やエネルギーとなる糖を運ぼうと、血液が体内でどんどん循環されていきます。

血液が循環されることで脳だけでなく身体にも酸素と栄養が行き届き、不要なものは血液によって分解・除去される部位まで運ばれていきます。

そのため、脳と一緒に身体も健康で若々しくいられるのです。

逆に脳が働かない状態だと、脳に血液があまり流れていかず、認知機能を低下させ、認知症になる、または認知症を悪化させてしまうこともあるのです。
なので、脳トレは、そんな認知症を避けるためや、認知症が悪化しないようにするために必要なトレーニングなのです。
脳が働くにはたくさんのエネルギーが必要です。そのため、脳が働いている時には、たくさんの血液が脳に流れ酸素と糖が運ばれます。
たくさんの血液が流れる事で、脳の機能の低下を防ぎ、若々しさを保っていられます。反対に、脳を働かせていなければ、血流も悪くなり、脳の栄養である酸素や糖が運ばれず、認知機能も低下してしまうという事になります。
認知機能の低下は、認知症に繋がるので、認知症予防や認知症の症状悪化を防ぐためにも、脳を働かせるという事は大事なのです。
また一人ではなくグループで行う事がよりおすすめ!
他人を気遣い他人と話をするというのは脳の良い刺激になります。
一方的に話したり、自分より弱い立場の人が周りにいても、我先に話したりしてはいませんか?
相手の話を聞き、それに対して的確な答えを返す。また他人を気遣い配慮するなど、上手く他人とコミュニケーションを取る事が、認知症予防になります。

 

②認知症と物忘れの違い

60歳前後になると、物忘れを感じる人が多いと思います。何かを忘れてしまう、思い出せないという症状から認知症ではないかと心配してしまうこともあるでしょう。

しかし、認知症と物忘れの症状にははっきりとした違いがあります。

例えば、お昼ご飯に何を食べたのか思い出そうとしても、出てこないことがあると思います。

これは年齢に伴う物忘れです。

認知症では、お昼ご飯を食べたこと自体を忘れてしまいます。思い出そうとするとき、考えるときに脳は刺激を受けて活発に働きます。

認知症でも物忘れでも刺激によって脳を活性化させ、機能の維持を心掛けましょう。

 

③脳の認知機能について

脳には、
・記憶する
・時間や場所を認識する
・計算をする
・読み書きをする
・言葉を話す
・道具などを使いこなす
・物事の善し悪しを判断する
・出来事などを理解する
などの機能があり、これらを認知機能と言います。脳は生まれてから20歳ごろまでどんどん発達しますが、20歳を超えると発達は止まってしまいます。そして発達が止まった脳は、年と共に少しずつ小さくなっていき、認知機能も徐々に低下していきます。ただ、物事を理解したり判断したりする機能は、80歳くらいまで低下はしないとされています。

 

認知症予防のための脳トレいろいろ

■計算系

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認知機能の1つである計算するという機能を低下させない為に、計算をしましょう。

年齢に合わせ高齢の方なら簡単な足し算引き算を、制限時間を設けず行い、若い方なら少し高度な計算問題を、制限時間を決めて。でも特に難しい問題ではなく、簡単な計算問題で構いません。

また、問題などを作らなくても、買い物をした時に、概算でも良いのでいくらくらいになるか計算したり、お釣りの計算をしましょう。財布の中を見て小銭がたまらないよう、お金の出し方を考えるのも良いです。

 

■読み書き系

文字を書くという効果は脳にとって非常に良い訓練になります。新聞のコラムや百人一首などを書き写し、声を出しながら読むことをオススメします。

百人一首などの決まった文章の場合は、記憶力の向上にもつながります。冒頭だけ詠んで、最後まで覚えているかどうかを確認しながら文章を書く、というのはいかがでしょうか。

また、新聞の短いコラムなどを書き写すなど、何かを見ながら書く事や、声に出して読む事は脳の刺激になります。また日記を毎日書くのも良いです。

若い世代でパソコンや携帯を使っている方も多いですが、一度自分で字を書いてみてください。

パソコンや携帯では漢字を変換する場合候補が出て選ぶだけですが、自分で考えながら物を書く場合は、漢字を思い出さなくてはいけません。

簡単なようで結構忘れてしまっていると気付く場合が多く、脳の良い刺激になります。

■パズル

トロント大学で行われた研究で、認知症予防にはパズルが効果ありとされました。でも1回行ったから良くなるものではなく、続けて行う事が大事です。

パズルはどのようなものでも構いませんが年齢にあったものを選びましょう。

また数字のパズルである数独(ナンバープレース)も効果があるとされています。

認知症予防 脳トレ に対する画像結果 

 

■麻雀や将棋などのボードゲーム

勝敗を決するゲームでは、相手の裏をかくという考え方を持つ必要があります。この考え方は高度な認知機能を必要とするので、大いに脳トレ効果が期待されます。相手の手の裏を読んだりするゲームは、高度な認知機能が必要ですので、脳が刺激されます。また、難しく嫌だと思いながらするのではなく、楽しく行うという事が、脳の活性化に繋がります。囲碁や将棋など、また麻雀などのルールを知っている方はやってみましょう。1人ではなく相手がいる事で、刺激となります。輪投げなどのゲームも、大勢でやると楽しく、また、狙って投げる事は難しい行為なので、良い脳トレになります。また他の人と一緒に行う必要があるため、会話などのコミュニケーション能力の向上にもつながるでしょう。

塗り絵や折り紙・絵手紙

どこにどんな色を塗るか考えながら塗る事で、脳に刺激を与えます。手先を使う折り紙も、はみ出さないよう丁寧に折ることを、意識しながら折りましょう。また紙粘土工作なども、手を使い考えながら行える脳トレです。

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音楽を聴いたり歌う

音楽を聴き、リズムに合わせて手を叩いたり、身体を動かしたり、歌を歌うのは、リラックス効果もあります。そのため多くのデイサービスなどで、音楽療法として取り入れられています。

 

回想法

昔の思い出を語り合ってください。懐かしい昔話を思い出しながら話すというのは、脳を刺激し、精神的にも安定すると言われています。写真などがあればそれを見ながら話します。自宅で家族と、またデイサービスなどで同年代の人達ともコミュニケーションが取れる方法です。

 

 

認知症患者のリハビリとしての脳トレ

痴呆症の患者さんの脳のはたらきは,不幸なことに低下することはあっても,よくなることはありません。

現状維持ができれば医学の勝利だともいわれています。患者さんたちに「読み・書き・計算」に取り組んでもらって,脳のはたらきが落ちない,もしくは上がってくるということがあれば,「読み・書き・計算」が能力に与える効果がわかります。
各人に1日10分から20分ほど,「読み・書き・計算」のトレーニングをしてもらうことによって,前頭葉の機能を見る検査の数値に明らかな改善が認められました。


週2日の学習を行った群では,最初の3か月で改善はとまるのに対して,週5日の学習を行った群では9か月後も改善が続いています。

検査の数値だけでなく,実際に,便意や尿意もまったく伝えることができなかったのに,ひと月学習したあとに「トイレに行きたい」ということを伝えることができるようになり,おむつが取れたという人もいました。つまり,日常生活のレベルでその効果が如実に現われているのです。


なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

体を鍛えるときには,毎日運動をして,体を使ってトレーニングしていきます。

脳も体の一部です。ですから,体を鍛えるときと同じように,脳を毎日使っていくと,鍛えられていきます。

週2日の運動(学習)では体力(脳力)の維持はできても向上は難しいが,週5日のトレーニングでは持続的な向上が認められるという事もあります。
運動(学習)をまったく行わないでいると体(脳)は寝たきりになってしまいます。

体力と置き換えて考えるとごく当たり前のことです。

痴呆症という,ある意味でいちばん極端な環境に置かれた脳でも,「読み・書き・計算」によって,脳の機能が上がってくるということを,証明できたわけです。

 

認知症患者のリハビリは複数人で一緒に行うリハビリをやってみましょう。

話をしながら、また相手と対戦しながら行う事で、良いコミュニケーションが生まれます。

認知症改善の脳トレには1人ででも出来る計算や塗り絵などがありますが、1人でそれをやっていても良い効果が現れない場合があります。

読み・書き・計算」は確かに科学に裏付けされた脳を最も効率的に活性化するベストの教材です。

しかし,高齢者の脳機能が改善して日常生活にも良い影響が生じてきた最も大きな要因は,学習者(=高齢者)と指導者(=介護スタッフ)の間のコミュニケーションにあるのではないかと考えられています。

高齢者はいやいやではなく自発的に学習に参加しています。これは高齢者が「介護」されるだけではなく,学習を通して「人格」として尊重される立場になり,精神的な自立を感じられることが大きいからであると推測されました。

さらに,介護スタッフ自身に多くのフィードバックがあり,よりよい介護を行っていくための多くの手がかりを与えられることとなり,高齢者と介護スタッフがお互いに相乗的に向上していく姿を観察しています。

教育とは教材を用いた学習者と指導者のコミュニケーションの過程です。

そこに家族や施設職員とのコミュニケーションがある事が大事なのです。簡単な問題でも『出来た』という達成感を味わう事で脳の活性化がみられます。

 

初めて経験することをやってみる

これまでやりたいと思っていたけれど、時間がなくてやれなかったことを積極的に体験することもオススメです。日曜大工やパソコン、英会話など、初めての体験は脳を刺激してくれます。自分がやりたかったことを見つけて、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。ここで行ってる脳活性・計算やパズルなどもきっと新しい事の一つでしょう。

 

ご自身やご両親に見合う脳トレ法は見つかりましたか?
ただ注意点として、自分自身が苦手だと感じるものはできるだけ避けることをオススメします。
なぜなら脳トレをやっている際に「楽しい」と感じることも、脳の活性化につながるからです。
一人で行っている時はもちろんですが、家族や友人と一緒に行う場合は、相手も楽しんでいるかどうかを確認しつつ取り組んでいきましょう

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